遺伝子組換え食品

これまであまり気にしたことがなく、何となく「遺伝子組換え食品ってあまり評判よくないね」くらいの認識しかしていなかったが、最近気になってきたので遺伝子組換え食品、技術の安全性について調べてみた。

そもそも遺伝子組換え食品というのは、文字通り遺伝子工学を利用して遺伝子を操作し、害虫に強い作物とかより生育の早い穀物のことで、これが食卓に提供されるようになったものである。人類が古来より進めてきた品種改良も一種の遺伝子操作とも言えるので、より洗練された形での遺伝子操作ということになるのだろう。

この技術は主として米国で先行して広まり、食料自給率の低い(約40%)日本はどのしても穀物等を大量に輸入しなければならないので遺伝子組換え穀物も大量に輸入することになり、これに対して消費者が安全性に異論を唱えたという図式で主として1990年代に議論が高まったようである。この辺りの詳細な議論内容は下の論文に記載されている。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsim/36/2/36_KJ00010166153/_pdf/-char/ja

この論文に記載されているのだが、実際問題としては食用油や家畜の飼料用に大量の穀物が輸入され、それらは半分程度遺伝子組換え技術を使用したものと推定されるが、食用油や家畜飼料に対しては遺伝子組換えの表示義務がないため、実質的には国民の大部分が遺伝子組換え食品を実質的には大量に摂取しているようだ。この背景には油のように精製してしまうと遺伝子情報が残らないので検査しようがないという技術的な背景もあるようだが。

数多ある技術の中で遺伝子組換え技術は食品に関する話とあって、消費者の忌避感が強いように感じられる。考えてみると、遺伝子組換え技術は、生産者側にはメリットがあるが消費者側には殆どメリットがない技術なので、忌避しても困らないという事情もあると思う。消費者側にメリットのある技術(自動車、スマホ、各種家電)であれば、デメリットとメリットを秤に掛けてそれでもメリットが大きければ広がっていくのだろうけど、遺伝子組換え技術の消費者側メリットは精々「値段が少し安くなります」なのだろうから、安全性を懸念する人や団体が現れると心配になる人が多くなるのも理解できる。でも実質的には既に15年程度は使用されて大きな問題は現れていないようなので、実際にはあまり気にする必要もないように感じられてきた。

この話で思い出したが、以前は食品添加物、化学物質の安全性に関する議論が高まっていたが、最近はあまり聞かなくなった。有吉佐和子氏の「複合汚染」のような話もあり、個人的にも昔は心配していたが、化学物質が多用されるようになって日本人の寿命が短くなったかというと逆で、どんどん長寿命化しているので、健康への影響は限定的であったのだろうと思っている。寧ろ化学物質のどの成分が長寿に作用するか、のような知見が蓄積されて今後より寿命は延長する方向に向かいそうだ。

#遺伝子工学 #遺伝子組換え食品

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