一般的な鉄に対するイメージは、安くて硬いけれども錆びやすい、ではないかと思われる。実際に鉄製の身の回りの品物の表面に錆が浮いているのを目にする。釘や古い住宅の屋根壁、ガードレールやフェンス等々。しかし鉄は本質的には錆びにくいとも言われている。有名なところでは約1500年間錆びていないインドにある「デリーの鉄柱」がある。
デリーの鉄柱が錆びにくい理由として、鉄の純度が高いこと、デリーの環境が乾燥していること、鉄の表面にリンの化合物が付着していること等が挙げられている。錆びない鉄としてはステンレス鋼が一般的だが、これは鉄中にCrを13%以上含有するものである。
これらとは別に、超高純度の鉄が東北大学で開発された。アビコアイアンとも呼ばれている。この鉄の純度は99.999%。ここまでいくと、塩酸にも溶けなくなるそうだ。つまり一般の鉄が錆びるのは不純物のためということになる。但し製造コストが非常に高いために一般的に使用するのは難しい。
最近このアビコアイアンの新たな使用用途として生体適合性が調査された。これによると、このアビコアイアンは生体との適合性が高く、毒性も認められなかったとのこと。インプラントや骨を固定するプレートとして現在はチタン等が使用されているが、これに替わる材料としての用途が期待される。


東北大の超高純度鉄、生体になじむ性質を確認 医療用に期待 | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
東北大学が開発した超高純度のさびない鉄が生体によくなじみ、インプラント(人工歯根)や血管を補強するステント(網状チューブ)などの医用材料として有望であることが実験で分かった、と同大などの研究グルー
これほどの高純度鉄を大量に作るのは非常に難しく、現段階日本でしか製造できないようだ。製造コスト低減に道が拓かれるとニーズも増えてくるのかもしれない。
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