3Dプリンターについては10年くらい前からモノ作りを変えるのではないか、という指摘がされてきた。以前3Dプリンターで車を作る取組みについて紹介した。これ以外にも最近では臓器や皮膚、血管を3Dプリンターで作る動きがかなり活発化しているため、少し調べてみた。
医療用の3Dプリンターでは細胞、ゲル状物質などをインクヘッドから噴出させて立体形状に組み立てていく。既に肝臓や腎臓、肺などの臓器を組み立てたようなものが報告されている。しかしこれをそのまま人体に移植できるかというと、現段階はとてもそこまではいっていないようだ。暫くの間は形を保つことができても、段々と形が崩れてしまう可能性が大きい。
現在、実際に人間の体に移植できるものとしては、血管が世界初めてだそうだ。この技術を開発しているのは日本の大学発ベンチャー企業であるサイフューズ社で、最近では神経細胞の再生に成功した。
サイフューズ社は、九州大学で研究開発された細胞積層技術を元に起業された会社で、細長い針状のベースの上に細胞を積み上げていくような形で血管を製造している。細胞を組み立てていくといっても体内の細胞の種類は200種類もあり、それぞれ培養方法が異なるなど、高度な技術が必要とされている。

現在3Dプリンターによる臓器製造は各国がしのぎを削っている状態のようだ。最近もスウェーデンの大学が人間の肺に近い細かい気道を備えた肺を製造したことが報告されている。

更には、臓器だけでなく3Dプリンターで代用肉を製造する技術も開発されている。牛肉は多くの資源を使用して作っており、また人間が食べるために殺生することに対する忌避感が広がりつつある。多くの代用肉は大豆などを使用したものだが、肉自体を工業的に製造する取組みも広がっている。下は大阪大学と凸版印刷の共同取組みで、サシの入った霜降り肉が製造できるようだ。

3Dプリンターによる臓器製造に関して、まだ今は血管、神経までのようだがいずれは臓器丸ごと製造することもできるようになる可能性は十分ある。事故や病気で臓器を損傷した人は現在は移植するしか選択肢がないが、例えば自分の細胞を採取してiPS細胞技術を利用して培養した臓器を作ることができれば拒否反応も起こりにくく、安全に移植することが可能になるだろう。また、年を取って機能が低下した臓器を新しい臓器に取り換えることもいずれはできるようになるかもしれない。そうなると、人間の寿命は今よりも遥かに長くなることも考えられる。
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