切断した手足や指が再生する

普段の生活でちょっとした怪我をすることはある。擦り傷や切り傷等。このような怪我は数日で元に戻るが、ある程度以上の傷になると傷痕が残る。もっと大きな怪我、例えば指を切断するような状況になると通常は元に戻らない。切断した指が残っていると外科手術で縫合できる場合もあるだろうが、100%ではないだろう。

再生可能な傷の大きさの限界はどの位なのだろうか? という漠然とした疑問を昔から持っていた。今回調べてみると、現在でも失った指先は数mmは戻るようだし、カエルであれば手足を失っても元に戻る技術が開発中とのことだ。今回この辺りの状況を調べてみた。

切断した指に「妖精の粉」をかけると指が伸びる、というような報道がされて一時期盛り上がったようだ。ここで言う妖精の粉というのは、細胞外マトリックスと呼ばれる生物由来の物質で、実際にこの療法を試した日本人登山家のインタビュー記事が下に記載されている。

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登山時の凍傷で第二関節から先を失ったが、マトリステムという療法により5mmくらい再生したそうだ。第二関節だったので5mmくらいであったが、第一関節より先、特に爪より先くらいであればもっと効果は大きいであろうとの意見も記載されている。

指以外でも、歯や骨の再生も行われている。口腔内で歯や骨に超音波を与えることで歯や骨の再生効果があるという報告がされている。歯も一度失うと差し歯やインプラントにする必要があるし、そもそも歯科治療は頻繁にあってその度にそれなりの苦痛がある。超音波であれば恐らく患者側の苦痛も減らせるのではないだろうか。

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プラナリアは2つに分割すると2匹に増えるし、サンショウウオも足を失ってもまた生えてくる。トカゲの尻尾も然り。進化が進む過程で再生能力は犠牲にしてきたということなのだろうが、最近の研究でカエルの手足を再生することに成功したという報告がされている。

5種の薬剤カクテル療法でカエルの手足を完全に再生させることに成功。再生医療に光明 | カラパイア
切断されたカエルの手足をほぼ完全に再生させることに成功。5つの薬剤を混ぜたカクテル療法で切断面を24時間密封。18か月の再生プロセスを経て手足が復元された

これによると、手足を切断されたカエルの傷口に5種類の薬剤を混ぜた薬液を24時間装着すると、その後18ヶ月かけて手足が再生したそうだ。生物が大きな怪我をしたときには、出血や感染を防ぐために傷口に瘢痕(はんこん)組織という特殊な組織ができて、これが再生を阻害するということだ。今回5種類の薬剤を混ぜた薬液というのは上に記載した細胞外マトリックスの仲間なのだろうが、面白いのは24時間処理しただけでその後長期間再生が続くというところだろう。瘢痕組織ができることを阻害し、かつ再生のスイッチを入れて、そのスイッチが入ると手足の再生に向けて粛々と生物の体が動き出すように見える。つまり本来は生物自体その機能を持っているが、大きな怪我の場合にはまず生命を維持するために出血や感染を防ぐことを優先させるということなのだろう。という事は、人間であっても恐らくそのスイッチを入れることができれば手足であっても再生できる可能性がありそうだ。事故等で手足を失った方への福音となることに期待したい。更には、手足ばかりでなく内臓も再生できるようになると、癌等の病気と臓器切除によるQOL(Quality of Life)の低下を防げることにもなるだろう。

#細胞外マトリックス #妖精の粉 #再生

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