前回、高さ31m以上の建物に居住するものは防炎カーテンの使用が消防法で義務付けられていることを記載した。防炎カーテンを使用することで火が燃え広がることを遅らせることができて、避難する時間的余裕が生まれる。
一般論として繊維製品は燃えやすい。表面積が大きく酸素との接触面積が大きいためであろう。そのような繊維製品を防炎にするのはどのような技術なのだろうか? と思って少し調べてみた。
(財)日本防炎協会によると防炎カーテンの防炎化方法には2種類あって、1つは繊維素材そのものに防炎性を付与する方法、もう1つは製造した繊維製品に防炎処理をして防炎性を付与する方法があることが記載されている。
但し、ここには防炎性を付与する具体的な方法については記載されていない。色々と見てみてもあまりそのような説明はされていないものが多い。そこで文献ベースで調べてみると、少し古いが下のような文献が出てきた。1982年に繊維工学という雑誌に掲載されたものとなる。
これによると、難燃性の繊維素材としては例えば塩化ビニリデンのようなものが挙げられている。また繊維製品に防炎加工する際の薬剤としては、ハロゲン、リン、窒素化合物が使用されることが多いようだ。塩化ビニリデンもハロゲンの1つである塩素を含有することから、これらの元素が防炎性を向上させることに有効ということになる。
防炎カーテン、という括りでは上記の文献くらいしか見つけることができなかったが、もう少し一般的なプラスチックの難燃化という観点から調べると、下のようなサイトが見つかった。これはプラスチック材料のデータベースのようなサイトである。
ここに樹脂製品の難燃化技術について記載されており、ここでもハロゲン、リン等を用いた防炎加工が有効であることが示されている。そもそも樹脂が燃えるのは樹脂の構成成分が炭素と水素であるため、これらがそれぞれ酸素と反応して二酸化炭素、水にそれぞれ変化することによる。従って樹脂の構成成分として炭素、水素以外の酸素と反応し難い元素を含有することで燃えにくくなる。更に、特にハロゲン系元素は燃焼時に不燃ガスを発生して、その不燃ガスが大気中の酸素を遮断することで燃えにくくする効果が加わるとのことだ。更に燃焼したときの放熱量も少ないためにそれ以上燃焼が広がりにくくなる。
有機化合物は一般に熱に弱いとされているが、中にはフッ素樹脂のように300℃くらいまでの耐熱性を有するものもある。フッ素樹脂というよりもテフロンという商品名の方がわかりやすいかもしれない。この樹脂もフッ素というハロゲン族の元素を含有しており、構成元素の影響は大きいということがわかる。
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