Materials Infomaticsの現状

昨年の秋から大学でMaterials Infomaticsを扱うこととなり、日々機械学習を活用した、データ駆動型の材料開発に取り組んでいる。最近ネット上のニュースでもMaterials Infomaticsについてみることが多くなってきたので、現在の日本国内における状況を少し調べてみることにした。

Materials Infomaticsとは材料開発においてデータを活用することで開発を効率化する考え方である。そもそも材料開発はその組合せが無限に近いほど大きいため、これまでは研究者の勘どころに頼るような研究開発が行われることが多かったが、最近のAI等の進歩を活用して効率的に進めましょう、ということになる。既に取組んでいるところは取組んでいて、下はAI MarketによるMaterials Infomaticsの利点と課題、成功事例を掲げた記事である。

マテリアルズ・インフォマティクスとは?AI活用方法、国内成功事例や導入事例、材料開発におけるメリット・課題、解決策を解説! - AI Market
材料開発分野のDXとして注目を浴びているマテリアルズ・インフォマティクス(MI)。マテリアルズ・インフォマティクスは、材料開発にかかる期間を半分以下にでき、試作回数も数十分の一にできる驚異的な威力が既に実証されている技術です。マテリアルズ・...

この記事中で5社の事例が成功例として紹介されている。それらは旭化成や東レ、ENEOSなどの化学系の会社が多く、それ以外にNEC、サムスンという電機系の会社が挙げられている。現在のところ、化学、電機系の会社が先行しているということだろう。

一方、このような活動ができていない企業も多く、まだこれらの取組みができていないところを対象として、Materials Infomaticsを手伝いましょう、ということを掲げている会社もあった。1つは日立系の日立ハイテク、もう1つはトヨタで、それぞれ下のようなサイトを作っている。どちらも材料開発企業ではなく材料を使う側の企業でありながら、材料開発に関する取組みを進めているところが面白い。

材料開発ソリューション(マテリアルズ・インフォマティクス) : 日立ハイテク
材料データ分析により材料開発の指針を見出すマテリアルズ・インフォマティクス(MI)が進展しており、効率的な材料開発が推進されています。日立ハイテクは、このMIを駆使したシステムをクラウドで提供し、実験前の予備分析、実験回数やコストの削減を実...
WAVEBASE | TOYOTA
トヨタ自動車発、マテリアルズ・インフォマティクスの導入を支援するクラウドサービス「WAVEBASE」は、お客様の課題に寄り添い、新素材のアイディアが生まれる環境を共に作ります。

また、同じようにMaterials Infomaticsを手伝います、というスタートアップ企業も現れている。深層学習用のライブラリであるChainerを開発したPreferred Networksが材料開発に特化したMatlantisというサービスを開始している。通常、材料開発に必要なデータはDFT(密度汎関数理論)に基づく計算が必要で、これは非常に計算コスト、時間が掛かるが、Matlantisでは機械学習、深層学習を活用してこの計算を高速で行うことができる、というものである。

Matlantisのコア技術と仕組み
高い汎用性と精度を備えた、独自のNNP(Neural Network Potential)。 Matlantisは従来の原子シミュレータに深層学習モデルを組み込んだNeural Network Potential(NNP)に基づいて、原子ス...

もう1社、MI-6という会社もMaterials Infomaticsを支援することをうたっている。この会社のサービスで面白いと思えるところは、AIのような情報関係の話だけでなく、Roboticsを用いた高速実験システムも提供しているところだ。Materials Infomaticsを実行するためには、数多くの実験データが必要で実験速度の向上が必須となる。このためここは重要な視点と思われる。

MI-6(エムアイシックス)株式会社
データ駆動型R&Dの実現に向け、「データの価値を最大化する」ためのソリューションを提供し、研究者の仮説検証プロセスに貢献します。

MatlantisとMI-6のサイトには提携企業名が掲載されており、結構多くの名の知れた企業が検討を進めていることが伺える。この分野に携わるものとしては、早くこのような活動から大きな成果が生まれることを期待している。

#MaterialsInfomatics #Wavebase #マテリアルズインフォマティクス

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