少し前に国民負担率が発表されて、国民負担率が約50%であったことから江戸時代の「五公五民」がTwitterで話題となっていた。国民負担率とは、所得に対して公的な負担である租税と社会保障費を合わせた合計の占める割合を意味する。令和4年(2022年)の見込み値として46.5%という数字となっており、約50%となった。
財務省が公表している国民負担率の推移の図が下のものとなる。財務省のWebサイトはその下に示した。青色の実線が国民負担率を示す。昭和50年(1975年)には約26%であったものが平成元年(1989年)には約38%に上昇した。この時には租税が大きく上昇している。その後ほぼ一定値であったものが平成22年(2010年)より上昇に転じて令和2年(2020年)に約50%に達した。この間は租税の上昇というよりも寧ろ社会保障負担率が上昇している。図をみてわかるように、租税負担は平成2年(1990年)をピークに減少に転じたものの、社会保障費が右肩上がりを続けている。これは国民全体の中の高齢者の比率が上昇してその医療費が増大したことと対応しているものと思われる。


この国民負担率は他の国に比べてどうなのか、ということについても財務省がデータを示している。下はOECD加盟国の国民負担率を比較したもので、これによると日本の国民負担率は他の国と比較すると同等あるいはやや低いところに位置している、ということになる。国民負担率の高い国々は主として欧州の国で、高負担、高福祉の国とされているところが多い。

それでは、これらの国は具体的にどの位高福祉なのかについても調べてみた。高負担、高福祉国家として北欧諸国が知られており、下のサイトは北欧諸国の福祉政策を調べたものである。
このサイトから2つのデータを引用する。1つは教育負担を示したもので、公教育授業料の負担を示したものである。北欧諸国の多くは義務教育後の高等教育も無料となっている。もう1つはその下の表で老齢年金の支給開始年齢と現役時代の所得に対する年金額の比率を示している。北欧諸国の支給額は日本に比べてかなり多いことはわかるが、支給開始年齢という観点からは大きな相違はない。しかしデンマークのように現役時代の84%を支給して貰えるとなれば、確かに老後の心配をする必要はほぼなくなる。


デンマークの国民負担率は66%となっているので、日本の現状の47%よりもかなり高い。高い国民負担を許容するのか、国民負担は小さくして福祉も小さくするかというのはかなり難しく、議論の分かれる論点と思われる。日本の場合、高齢化が進行していくため今後もどんどん国民負担率が上昇することが容易に予想できるため、特に若年層の不満が溜まっている。また日本において、世代間の不公平感も広がっている。戦後まもなく制定した制度が限界を迎えているように思われるが、現状大きく変えようという意見はあまり出ていない。
#国民負担率 #五公五民

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