最近エネルギーハーベスティングという言葉を耳にする。日本語では環境発電と訳されている。今後IoT(Internet of Things):モノのネット接続が一般的になればモノに電源を供給する必要がある。電池では交換や充電の必要が生じるのでそのような手間が発生しない電源供給が必要になる。

これを実現するための研究開発も盛んになってきている。熱電材料と呼ばれる一連の物質がある。熱電材料とは、熱を電気に変換、あるいは電気を熱に変換する材料のことだ。最近ではPCの冷却にペルチェ素子を使うような事例も増えているが、ペルチェ素子がこの熱電材料に相当する。この場合には電気を熱に変換しているが、熱を電気に変換することができれば環境から電気を取出すことができるようになる。
室温に近いような低温環境で使用できる熱電材料としては、Bi:ビスマスとTe:テルルの化合物が代表例とされる。しかしこれらはいわゆるレアメタルに相当するのであまり大量に使用することは難しい。またTeは人体に毒性があるともされる。このためこれらの元素を使用しない熱電材料が開発されている。Fe:鉄とAl:アルミニウム、あるいはFe、Al、Si:シリコンというありふれた金属で熱電材料を作る試みがNIMS:物質材料研究機構、東大等で行われている。温度差が5℃程度でも発電できるようで、当然生成する電気量は小さいが、IoTの電源であればそう大きな電力は必要ないだろうから現実的な話なのだろう。


IoTでなく、人間の手に取付けて人間の体温で発電するような取組みも行われている。下は米国のコロラド大の報告で、指輪状のデバイスをつけることでスマートウォッチ等への電源供給を行う研究だ。体温で発電するようなことはこれまでにも考えられていたが、熱電材料で発電するためには温度差が必要で、高温側は人体としても低温側も必要となる。デバイスが熱伝導で人間と同じ温度になってしまうとそれ以上は発電できない。つまりデバイスの冷却が必要ということで、下のデバイスは箔状のものが放射状に取付けられていて少々不格好だが、これは恐らくデバイスの冷却のためなのだろう。

スマホやスマートウォッチ、スマートリング等便利なものは続々発売されているが、その電源管理が面倒なので、このようなものができると非常に有難い。ガジェット好きとしては早く実用化されて欲しいと思う。
#熱電材料 #エネルギーハーベスティング #環境発電

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