石油の起源はどこに?

石油等の化石燃料は1970年代から採掘可能量があと30年と言われているが、それから40年以上経って2017年段階でも採掘可能年数が約50年となっている。減りそうでなかなか減らないものの代表格のようにも思える。最近ではカーボンニュートラルが叫ばれ、化石燃料は悪役のようにもなっているが、やはりなくては困るものだろう。石油は昔聞いた話では太古のプランクトン等の生物が起源とされ、それが一般常識のようになっているが、そうではなく、地球の中から自然に湧き出てくるものだという説も提唱されている。今回は、石油の起源について少し調べてみた。

まず、現在主流となっている太古の生物起因説から。約2億年前は現在よりも気温が10℃高く二酸化炭素濃度も10倍高かったそうだ。これにより植物の光合成反応は極めて活発に進み、多くの有機物が生成され、それらが海底や湖底に堆積した。これらがその後無酸素条件あるいは地下での高温状態で更に反応が進行して石油や石炭、天然ガスになったというものだ。

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これに対して無生物起源説というものもある。生物由来でなくとも炭酸成分を含有する鉱物は世界中に沢山あり、これらの炭素と水蒸気から供給される水素とが地下の深部の高温、高圧環境で重合して石油のような複雑な有機物になったというものだ。周期律表を作ったメンデレエフがその起源で、特にロシアやウクライナで研究されていた。これらの国ではこの理論に基づいて油田を探して高い確率で油田を見つけたという。

どちらも可能性としてはありうる気がする。問題は生物起因であれば石油は有限だが、非生物起源であればほぼ無限にある筈というところにある。石油が無限にあるということになれば、それを掘出す人も出てくるので石油の値段が下がりやすくなる。周知のように現在は石油産出国で談合して産出量と価格を決めているので、どこでも石油が出てきます、という話にはしたくないであろう。なので現在は生物起源説が主流となり、非生物起源説は無視されている、というのは十分にありうる話に思える。三井石油株式会社という大企業にいながら、非生物起源説を主張されている方もいる。これによると、非生物起源説の存在感は段々増しているようだ。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/japt/80/4/80_275/_pdf

別の観点から考えてみる。そもそも地球が生まれた46億年前の大気の構成成分としては二酸化炭素が最も多かったとされている。このときは地球の大気温度も数百度あったようだが、その後段々と地球が冷えて100℃以下になると水が液体となる。液体の水は二酸化炭素を溶かす効果を持ち、水中に溶解した二酸化炭素は地殻の構成元素であるカルシウムやマグネシウムと反応してこれらの炭酸塩を生成する。そうすると水中の二酸化炭素濃度は減少し、また大気から二酸化炭素が水に溶けていく。こうして大気中の二酸化炭素濃度は徐々に低下していった。この過程では大気中に酸素は放出されず、大気中に酸素は殆どない。地球が生まれて20億年以上経過して生物が生まれ、生物(植物)は光合成して二酸化炭素を吸収して酸素を発生する。その酸素が大気に堆積して現在の大気組成となった。地球誕生段階からの大気組成が下に示されている。その下はこの図が掲載されているサイト(国立環境研究所)。

地球の大気と水(地球の成り立ちと気候変動) - 探究ノート|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

この図は縦軸が対数となっているので注意する必要がある。この図を見ると、酸素が発生し始めるまでの二酸化炭素の濃度変化は概数で5→0.03気圧、酸素が発生し始めてからは0.03→0.0004気圧(現在)となる。酸素が発生し始めるまでが非生物による作用、酸素が発生し始めて以降が生物による作用となるから、二酸化炭素の99%以上は非生物作用で大気から除去されたということになる((5-0.03)/(5-0.0004)=0.994)。石油は炭素を主成分とする化合物で、その炭素の起源は地球が生まれた当初の二酸化炭素にある筈なので、石油を100%生物由来と考えるのは寧ろ無理があるように思われる。二酸化炭素が減りすぎてしまうと植物は光合成できずに滅びてしまうので、上の図をみると二酸化炭素濃度が減りすぎないようにすることの方が重要なのではないだろうか、とも思った。

#石油の生物起源説 #非生物起源説 #大気の組成

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