物質の起源

本業は材料系の研究職をしている。また大学の専攻は化学であったこともあり、物質の起源は気になる。

宇宙の開闢はインフレーションとビッグバンから始まったとされている。このとき当然いかなる物質も存在しない。ビッグバンの後、原子核が生成し、電子が原子核に補足されるようになって宇宙が晴れ上がる。まあ、電子はいいとして、物質の起源の観点からは原子核の方が重要である。まずは陽子が合成される。陽子と中性子が単数あるいは複数結合して原子核ができる。

原子核は核融合で生じる。ビッグバン直後は極めて高温なので核融合さえ起こらない。温度が下がってくると核融合により陽子と中性子からより重い元素が合成される。核融合は恒星の中心部で起こる。しかしヘリウム(質量数4)までは容易に合成されるが、炭素(質量数12)が合成されるのは大変そうだ。質量数は陽子と中性子の合計の個数のことを言う。ヘリウム4が融合してベリリウム8が出来ても安定せずにすぐ崩壊する。たまたまヘリウム4が3つ融合して炭素12が合成されるとこれは安定に存在できる。

炭素12が生成すると、炭素12とヘリウム4が融合すると酸素16が生成し、それ以上の質量数の元素も合成されていく。基本的にヘリウム4が融合していくために4の倍数の質量数の元素が生成されやすい。

恒星の中心部で生成する元素で最も質量数の大きい元素は鉄56である。最も安定な核種(陽子と中性子が合わさったもの)はニッケル62だそうだが、ニッケル62は4の倍数でないので鉄56の方が沢山生成する。

鉄56よりも質量数の大きい核種は超新星爆発で合成されると言われている。つまり亜鉛64やモリブデン98等は超新星爆発で生成した元素が流れ流れて地球を構成したものである。これらの元素は人間の必須元素の一部とされている。つまり我々の少なくとも一部は星のかけらから出来ているとも言える。

クラーク数とは、地球を構成する元素の存在比率を示すもので、これによると最も存在比率が大きいものは酸素、次いでシリコン、アルミニウム、鉄、カルシウムである。基本的には原子番号の小さいものが多い中で鉄がそれなりに存在するのは上に記載したような事情によるものと思われる。地球の核は鉄とニッケルと言われており、地球に磁性が生じるのもこの鉄の作用となる。

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