日本国債は大丈夫か?

経済に関する書籍を最近ずっと読んでいるのは、日本国債が今後どうなるのかが気になるためである。財務省の陰謀で実際は何の問題もないという説から、今すぐにでも暴落するという説まであるためにどれを信じてよいか全く分からない。基本的にはそのうち暴落する懸念がある、とずっと思ってきたが、最近ではMMT(現代貨幣理論)のようなものもあり、益々分からなくなってくる。

今回読んだ本は、下の書籍。著者は経済学者ではないようだが、非常に勉強しているし、そこから導かれる結果も非常に興味深い。

フィッシャーの交換方程式(MV=PT、Mは貨幣量、Vは貨幣の流通速度、Pは物価、Tは取引量)において、Mは実態経済と金融経済の両方を含むのに対して、Tは測定することが困難であるため便宜的にY(GDP)で代用されることが多く、この時には金融経済を除外してしまうためにこれを考慮する必要があることをリチャード・ヴェルナー氏が指摘した。現代経済学はマネタリズムの影響が非常に大きくなっているようだ。マネタリズムは貨幣量を制御することで経済を制御する考え方なので、交換方程式がベースとなる。しかし、そのベースとなる交換方程式を修正する必要があるにも関わらず、修正された交換方程式での議論というものをこれまで見つけることができなかった。今回、この書籍では、少し異なる形(セイの法則とワルラスの法則)ではあるが、実体経済と金融経済とを分離して議論している。実体経済と金融経済の両者を含むものがワルラスの法則という形となっている。

議論の帰結としては、これまでマネタリズム主流であったために不景気時の対策は金融政策(貨幣政策)が主体であったが、市場に注ぎ込んだ貨幣がすべて金融経済側に流れてしまうだけなので実体経済への効果が少なく、金融政策よりも財政政策が重要である、という結論である。実際に現在の状況は資産バブルと言える状況なので、これは説得力がある。

財政政策を積極的に採用すると、当然国債で実行することになる。ここについても議論していて、結局毎年国債を大量発行することができるのは、実体経済におけるマネーの需要が小さいために実体経済で金余りが生じて、これが国債(金融経済)に流れていることが原因である、としている。しかしマクロに見ると国債と増税とは等価であり、国債発行は巷でよく言われているように負担を後の世代に先送りしているわけではない、と主張している。

それでは国債をどんどん発行して財政政策(実際には公共事業)をすることになり、MMTと同じ主張のようにも見えるが、そこは違っていて、国債はいずれ償還する必要があり、そのためには一にも二にも経済成長することが重要である、という主張となっている。GDPが毎年2-3%でも成長すれば長期的には国債の負担は軽減しうる、ということである。

確かに国債の危機を乗り越えられるとすると、経済成長しかないのであろう。それが30年間できなくて苦労しているのが日本であるが、経済政策に効果がないにも関わらず、相変わらず同じ政策を繰り返しているように見える。何か変えないといけないようには思える。

#ワルラスの法則 #セイの法則 #交換方程式

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